自動車の所持を断念することで、個人再生手続きにより自宅の維持には成功
債務整理方法 | 借金総額 |
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小規模個人再生(住宅特例有) | 900万円 ⇒ 110万円 |
背景
中堅企業の正社員であるAさんは、結婚後に住宅ローンを組み自宅を購入しました。さらに家族で出かけるために自動車もローンを組んで購入しました。Aさんは円満な家庭を築いていたものの、そのための遊興費や子の教育費が不足すると借入れで賄うようになってしまい、毎月の返済も厳しくなり始めてしまいました。住宅ローンだけは遅滞なく支払い続けていたAさんでしたが、このままでは、近いうちに住宅ローンも支払えなくなり、折角購入した自宅を手放さなくてはならなくなってしまうと危機感を抱き、専門家の意見を聞いてみようと考え、当事務所に相談にいらっしゃいました。
対応
Aさんは中堅企業の正社員として働いていることもあり、安定した収入をしっかり得ていました。一方で、借金の額が膨らみすぎてしまったことと、子育てにどうしても出費が嵩む事情から、現在の債務を完済できるだけの経済的なゆとりはありませんでした。そのため、法的な手続きを選択することをAさんに提案しました。住宅特例を使った個人再生手続きであれば住宅は手放さなくても済むこと、その一方でローンの残っている自動車については手放さなければならなくなることを説明しました。当初は自動車を手放すことに難色を示していたAさんでしたが、このまま何もしないでいたら債務の返済が全面的に滞り自宅も自動車も手放さなければならなくなる可能性が高いことを十分に理解してくれました。その結果、子が通いなれた学校から転校することを避けるために住宅の維持を最優先とし、通勤等の生活のために使用することが少ない自動車の維持は断念することになり、個人再生手続きで解決を目指すこととし、当事務所はご依頼を受けることになりました。
結果
自動車は残念ながら手放すことになりましたが、返却後の自動車が金銭に換価されたことから自動車ローンの残高が大幅に圧縮され、債務残高が550万円になりました。住宅ローンの滞納が生じる前に個人再生手続きに向けて動き出していたこと、Aさんには元々安定した収入はあったことから、裁判所も特段、再生計画に対する懸念を示すことはありませんでした。債権者からも異議が出てくることもなく、無事に再生計画は認可されました。その結果、Aさんは自宅を手放さずに解決できました。