刑事事件

万引きで後日逮捕される?逮捕後の適切な対応方法

テレビなどの特集で、「万引きGメン」が商品を盗む瞬間をとらえ、店を出たところで声をかけるというものを見たことがある方もいらっしゃると思います。

このようなテレビ番組から、万引きをして捕まるのは、商品を盗む瞬間を見られたケースか、お店を出たときに声をかけられるケースだけで、そうでなければその後に捕まることはないと考える方もいるかもしれません。

しかし、万引きであっても、後日に発覚して逮捕されてしまう可能性はゼロではありません。

今回は、万引きと逮捕について解説していきます。

1.万引きの逮捕の種類

逮捕には、現行犯逮捕、準現行犯逮捕、通常逮捕(令状逮捕)、緊急逮捕の4種類があります。

(1) 現行犯逮捕・準現行犯逮捕

やはり、万引きで逮捕されるのは現行犯逮捕が多いと思われます。

現行犯逮捕とは、犯罪を現認した場合に、現行犯人の身柄を拘束することです。
万引きGメンに捕まった場合などは、私人に現行犯逮捕されていることになります。

一方、犯行から間がない場合に、一定の要件を満たす者を「現行犯人とみなして」逮捕することを準現行犯逮捕といいます。
犯行から時間的・場所的に近いところで、盗品を持っているところを見つかったような場合です。

(2) 通常逮捕(令状逮捕)

お店では捕まることなく、万引きがバレなかったと思っても、後日に逮捕されることはあります。通常逮捕とは、逮捕状による逮捕のことです。

逮捕状による逮捕の場合には、警察がある程度の先行捜査を行い、容疑を固めて、裁判所から令状(逮捕状)を発行してもらってから逮捕に来ます。

万引きの後日逮捕は、同じ店で万引きを繰り返している場合などによくあります。

店の商品は在庫管理されています。在庫の数が合わなくなると、店員も万引きに注意するようになります。

やがて、「あの人が来店した後はいつも在庫が合わない」などと気づくと、行動をチェックしたり、過去の防犯カメラの映像からなくなった商品とその人の行動を照合したりします。
これは、かなり有力な証拠になるでしょう。

(3) 緊急逮捕

緊急逮捕とは、裁判官に令状発付を求める時間的余裕のないときに、逮捕を先行させる身体拘束です。

濫用による人権侵害の危険が大きいので、次の条件が必要となります。

  1. 死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪であること
  2. 罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があること
  3. 急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときであること
  4. 逮捕後に直ちに裁判官に令状発付を求め、発付されないときは直ちに釈放すること

次に説明しますように、万引き(窃盗罪)の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金であり、「 長期三年以上の懲役にあたる罪」ですので、緊急逮捕の対象となる犯罪です。

2.万引きで逮捕された場合に問われる罪とは?

さて、万引きというと軽く考えられがちですが、万引きは「窃盗罪」という、懲役刑もある犯罪行為です。

刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

さらに、万引きをして逃げるときに、捕まえようとした店員を振り払ったなどという場合には、事後強盗罪という非常に重い犯罪になります。

刑法238条(事後強盗罪)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪証を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる

「強盗として論ずる」とは、強盗罪を適用するということです。

刑法第236条1項(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

強盗罪は、5年以上の有期懲役刑なので、原則として執行猶予は付かず、実刑判決となります(執行猶予は3年以下の懲役刑が対象)。

3. 刑事手続の流れ

刑事手続は、「警察・検察の捜査→検察官の処分決定(起訴・不起訴の決定)→(起訴されたら)裁判」と進みます。

万引き犯でも逮捕、勾留されます。窃盗の前科・前歴がある場合はもちろん、被害品の品数が多く転売目的が疑われる場合などは、逮捕の可能性が高いケースです。

令状逮捕の場合、ある日突然、警察官数人が自宅にやってきて、逮捕状を示されて逮捕されるのが一般的です。
もっとも、警察から呼び出しが来て、警察署に赴いて取り調べを受けたあとに、容疑が固まったとしてそのまま逮捕されることもあります。

しかしながら、警察から呼び出しが来ても、取り調べを受けた後、自宅に帰れることもあります。
そして、その後も、警察や検察から呼び出しが来た時に、取り調べに応じることによって捜査を受けます。

このような状態が、在宅捜査です。

在宅捜査には時間制限がありませんから、捜査機関が時間をかけて捜査を行うため、検察官による処分が決まるまでに時間がかかり、被疑者が長期間不安定な状態に立たされる可能性があります(※逮捕・勾留される身柄事件では、起訴・不起訴の決定まで逮捕から最大23日という時間制限があります)。

4. 警察から呼び出しが来た場合の対応

(1) 弁護士への相談・依頼

警察から呼び出しがあったら、まずは刑事事件に強い弁護士に相談に行くべきです。

弁護士は、数多くの経験から、その事案では逮捕されそうか、在宅捜査になりそうか、その後どのような処分になる可能性が高いかという予測を立てることができます。
勾留されそうな場合には、弁護士が警察に上申書を提出して、在宅捜査にするようにという申し入れを行います。

また、警察で取り調べを受ける際の注意点なども、あらかじめ教えてくれるでしょう。

(2) 謝罪・示談交渉

被害者がいる犯罪の場合、被害者の処罰感情を和らげるために、示談交渉は非常に重要です。

しかしながら、万引きに関しては、被害者の被害感情が大きいことも少なくありません。
どのような小売店も、商品を一つ盗まれるだけでその日の売り上げが帳消しになるようなダメージを受けることもあるのです。

そのため、万引きについては、一切示談に応じないないという方針を取っているお店もあるようです。

そこで、示談交渉を行うにしても、まずは、被害者に対しては、誠心誠意謝罪をすることから始めなければいけません。

謝罪の方法としては、直接謝罪に行くか、謝罪文を送るかなど、事案に応じた方法を考えることになります。

その後、示談に応じてもらえる場合には、万引きした商品の料金+迷惑料を示談金として支払うことを申し入れることになります。

早急に示談が成立すれば、不起訴になる可能性は高くなります。
逮捕・勾留されている場合には、示談が早く成立することにより、勾留期間の満了を待たずに不起訴処分となって、早期釈放につながることもあります。

(3) 贖罪寄付

被害者がどうしても示談に応じてくれない場合には、ケースによってですが、贖罪寄付をすることを考えてもよいでしょう。

贖罪寄附とは、日弁連及び各地の弁護士会等が設けている制度で、罪を償う気持ちで、弁護士会にお金を寄付することです。

贖罪寄付を行うと、弁護士会等が証明書を発行してくれますので、この証明書を検察官に提出して、贖罪の気持ち(反省の気持ち)を示し、不起訴処分にしてもらうよう申し入れます。

なお、日弁連や弁護士会に寄附されたお金は、日弁連や各都道府県の弁護士会が行っている「人権の擁護と社会正義を実現する活動のための法律援助事業基金」に充当されます。
この法律援助事業基金は、弁護士による法律援助を必要とする人たちのために使用されるものです。

5.万引きをしてしまった方は弁護士へご相談ください

万引きをしてしまい見つかった場合、もしくは警察から出頭するよう連絡がきたという場合、ご自分だけでその後の対策を考えていても、ベストな答えは出ないでしょう。
自己判断で警察や検察に対応すると、罰金刑となり前科がついてしまう可能性もあります。

万引きをしてしまったら、早めに専門家である弁護士に相談することをお考えください。刑事事件は、早急に対処することが非常に重要です。

千葉市、四街道市、八街市、市原市、総武線・京葉線沿線にお住まい、お勤めの方は、泉総合法律事務所千葉支店の弁護士にぜひ一度ご相談ください。

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