債務整理

自己破産しても滞納している税金は免除されない! 

借金の支払いができなくなったときは、債務整理をすることで問題を解決することができます。
特に自己破産は全ての借金を免除してもらえるので、免責許可後は借金生活から解放されます。 

「それなら、住民税などの税金についても自己破産で帳消しにしてもらえるのでは?」と期待をしたくもなりますが、残念ながら税金については自己破産をしても免責はしてもらえません。 

では、一体それはなぜなのでしょうか?
また、滞納した税金を払えない場合はどの様に解決したら良いのでしょうか? 

1.自己破産の免責対象

自己破産は基本的に債務を免責してもらえる制度ですが、正確に言えば全ての債務が免責される訳ではありません。
免責対象となる債務とそうでない債務の違いについて解説します。 

(1) 自己破産で免責される債務

自己破産をすると、ほとんどの借金は免責されます。

例えば、家や車のローン、金融機関・貸金業者からの借金、クレジットカード代金、携帯電話料金などの他、家賃や水道光熱費などについても免責の対象となります。

(2) 自己破産では免責されない債務

一方、自己破産では免責されない借金もあります。
非免責債権」と呼ばれるもので、対象となるのは次の通りです。 

公租公課 

公租公課とは国や地方自治体に収める税金や社会保険料などのことです。

税金には様々な種類がありますが、住民税、自動車税、所得税、固定資産税、地方税、都道府県民税などが全て含まれます。

社会保険料は国民健康保険、国民年金保険料などが含まれます。

これら公租公課を滞納した場合、自己破産をしても支払いはしなければなりません。 

なお、公立保育園の保育料についても、法律で税金と同じ徴収方法が認められていることから、非免責債権とされています。
また、水道光熱費については基本的に免責対象ですが、下水道料金は非免責債権に該当するので注意が必要です。 

一部の損害賠償金・罰金 

詐欺行為でお金をだまし取るなど悪意で加えた不法行為の損害賠償金や、故意または重過失で人にケガをさせたことに対する損害賠償金は、自己破産をしても免責の対象にはなりません。

また、刑事罰、行政罰で科せられた罰金も免責対象外です。

養育費 

離婚後の子供の養育費なども非免責債権とされています。自己破産をしても支払いは続けることになります。

未払い給与 

個人事業主の方で従業員への未払い給与がある場合、自己破産をしても従業員には支払いをしなければなりません。
従業員からの預り金がある場合も返還の義務が生じます。

2.税金の滞納を続けるとどうなるか

このように、税金は自己破産をしても免責されませんが、支払いができないからと放置しているとどうなるのでしょうか?

税金の取り立ては厳しいものがあり、滞納を続けていると財産を差し押さえられてしまします。
税金滞納による差し押さえを「滞納処分」と言います。 

最初に督促状が送られてきて、指定された期限までに支払いができない場合は財産を差し押さえられる恐れがあります。

税金滞納による差し押さえは、他の債権と異なり差し押さえまでの期間が短いという特徴があります。

普通の借金であれば、差し押さえをするには裁判所に訴訟を提起し、判決を取得した上で差し押さえの申立てをする必要があるので、滞納から差し押さえまでにはそれなりに時間がかかります。 
しかし、税金滞納の場合、滞納処分をするのに裁判所を介する必要がないので、期限までに支払いがなければ、いきなり差し押さえすることができるのです。 

また、一般的に自己破産の申立てをして「破産手続開始決定」の手続がとられると、債権者は新たに差し押さえをすることはできません。また、開始決定前に差し押さえをした分についても中止できます。 

しかし、税金の滞納処分についてはその限りではなく、破産手続開始決定前に差し押さえをした分については中止にはなりません。
不動産や給与など差し押さえられたものが戻ることはないので注意が必要です。 

3.税金滞納の解決方法 

自己破産をするほど困っている方は、滞納している税金を支払う余裕もないことがほとんどでしょう。
それでは、税金を滞納してしまったら、どうするべきなのでしょうか?

(1) 役所に行って分納や猶予の交渉をする

税金を滞納してしまい支払いがどうしてもできないときは、そのまま放置をせずに役所に行って相談をしましょう。

自己破産をして生活に困窮している旨を誠実に話し、将来的に支払う意思があれば、分納や猶予を認めてもらえる可能性があります。

(2) 特別な事情があれば免除してもらえる可能性

低所得で生活保護を受けているケースで、滞納処分をすると生活が著しく困難になる場合や差し押さえる財産が何もない場合は、滞納処分を一時的に停止してもらえる可能性があります。

また、滞納処分の停止から3年が経過すると、税金が免除される可能性があります。

(3) 他に借金がある場合は債務整理

税金は自己破産をしても免除にはなりませんが、税金滞納の理由が他の借金の支払いに追われているということであれば、債務整理をすることで問題解決ができる可能性があります。 

債務整理をすれば他の借金を整理できるので、債務整理後は支払いが楽になるはずです。その分、税金の支払いに回して地道に返済をしていくことができます。

4.まとめ

自己破産をすればほとんどの借金は免責されますが、非免責債権は免責の対象外です。
税金はその最たるもので、税金滞納については弁護士でもどうしようもできないのが現実です。

よって、税金滞納の解決をしたい場合は役所に行ってもらうしかありません。

しかし、滞納の原因が他の借金にあるのならば債務整理をして問題解決をするのがベストです。

泉総合法律事務所千葉支店では債務整理の実績が豊富にあります。もし、借金返済と税金滞納について両方の問題を抱えている場合は、滞納処分を受ける前に債務整理を行うことで最悪の事態を防ぐことは可能です。

借金問題は対処が早いほどに解決の選択肢が多くなります。状況を悪化させないためにもお困りのことがあれば一刻も早くご相談下さい。

債務整理の相談は何度でも無料です。また、弁護士費用の分割払いにも対応しています。借金の問題は専門家と一緒に解決をしていきましょう。 

無料相談受付中! Tel: 0120-661-202 平日9:30~21:00/土日祝9:30~18:30
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